経営学・経済学の視点で英会話スクールを視る

■初心者フレンドリーなスクール選びを!

 コラム「初心者におすすめ ”英会話スクールの使い方”」で述べたとおり、英会話 初心者が「続けられる」には、毎回同じ日本人講師(または完全バイリンガルの外国人講師)からマンツーマンレッスンがおすすめです。英会話スクールを選ぶに当たっては、まず、こういう学び方ができるスクールから探す必要があります。

 しかし、上記に該当するスクールは数多くあり、何を決め手に選べば良いのか迷ってしまします。そこで、最後の決め手となるのは 「初心者フレンドリーなスクールか?」 という事になってきます。英会話スクールの 「初心者フレンドリーさ」 を外見的には判別しにくいですが、ヒントはあります。

 それでは、英会話スクールを、経営学的な視点も交えて紐解いていきましょう。

 


■大手スクール

 駅や、電車の広告などで全国的にも有名なのが 大手スクールです。巨大な教育産業の系列企業であることも多く、経営基盤は安定しており、あらゆる英会話産業の頂点に君臨します。講師の質は全般的に高く、どんな生徒のニーズ(もちろん初心者も)にも対応できるようにカリキュラムも良く研究されており、英会話初心者にも安心感があります。
 難点は、コストが高額な事です。講師の人件費も高く、多額な広告費、設備費、教材開発費など掛かっており、当然レッスン費用は割高になります。

 

 大手スクールで最も気を付けるべき点は「企業に目が向いているスクールも多い」という点です。大手スクールは、大口の安定顧客である企業から社員英語教育を受託することに最大の努力が向ける(側面があります。これは、経営学的には「B2B(Business to Business)」と呼ばれるもので、個人顧客(生徒)は必ずしも重視していない事もある、という事です。大手スクールであっても、個人の生徒を大事にするか体質か? それを見抜く事は容易ではありませんが、背後にある親会社の評判や、そこに通ていた知人や、ホームページで公開される「受講生の声」等は、参考になる可能性があります。

 


■準大手スクール

 最初は小規模なスクールだったものが、徐々に生徒数を増やし、次第に複数教室を構え、大きくなったスクールが準大手スクールです。背後に巨大教育産業が付いているケースは少なく、オーナー社長が個人経営しているケースが多いのも特徴です。
 特定の生徒層を対象としたり、例えば「TOEIC対策」とか「留学準備」など得意分やがあったり、自分のニーズにぴったり一致するスクールが見つかれば、掘り出しものかもしれません。コスト的には大手スクールの様には高額くはなく、まあ平均的な水準と言えます。

 

 準大手スクールで最も気を付けるべき点は、極端に「安い事」を売りにしているスクールが存在する点です。1レッスン当たりの単価は安く抑え、高い入学金を取るスクールです。例えば1レッスンが2,000円でも、入学金で30,000円取るとします。「英会話初心者の8割は、10レッスン程度で挫折する」法則が分かっていますので、入学金30,000÷10レッスン=3,000円。つまり実質1レッスン=2,000+3,000=5,000円 ということで、スクールとしては十分採算が取れるのです。
 これは、経営学的には「顧客回転率で稼ぐ手法」であり、スクール側からすれば 「生徒が長く定着せず、次々新しい生徒を呼込む方が儲かる」 という事です。 経営者は意図的にそういう事を狙ってはいないでしょう。しかし結果的にはそういうになれば、生徒にとっては有難くない状況です。 極端に安く、しかも長年続いているスクールは、そういう視点で厳しくチェックする事がポイントになります。

 


■小規模スクール

 スクールの数としては最も多く、派手な宣伝広告をしない分、比較的コストも安く、多くに生徒さんの検討対象となるのが小規模スクールです。 大手や準大手のスクールは、「どんな生徒」にも対応できる準備をしていますが、小規模スクールは、全てには対応できません。
 経営学的には「ニッチ商法」と呼ばれ、各スクールは、自分たちの得意分野(経営学的には ”コアコンピタンス”と言います)で生き残りを賭けて凌ぎを削ることになります。経営者、塾長の考え方が、講師陣やスクール全体のカラーにも反映されることが多いのも特徴です。 この層のスクールは、まさに玉石混交です。英語教育に無縁な人でも、脱サラで開業は出来てしまいます。

 

 そういう中で、信頼できるスクールを見抜く決め手は何でしょうか? まず、得意分野が見えてこないスクールは避けるべきでしょう。小規模スクールでは「誰でも」を相手にする事は不可能です。そのスクールが得意とする分野(生徒層、性別、年齢層、学びたい目的が何か? ビジネスか? TOEIC試験対策か? 、、、など) が見えないスクールは 「誰にとっても上達できない」 スクール」かも知れません。

 この層のスクールから自分に合ったスクールを探すのは、主にインターネットのグーグル検索になってくると思います。様々なキーワードで検索し、なるべく自分のニーズに似合いそうなスクールを見つけてください。

 

  また何よりも、初心者を大事にしてくれそうなスクールを見つけるのがポイントでしょう。多くのスクールでは無料体験レッスンを実施していると思いますので、そこに参加することが有効です。この規模のスクールは、経営者のこだわりが、教室の隅々にまで現れるものです。体験レッスンでは、レッスン内容だけでなく、スクール全体の雰囲気・空間が自分に合いそうか? 長く続けられそうか? 五感を研ぎ澄まして良く見てくる必要があります。

 


■個人レッスン
 家庭教師や、先生の自宅に伺ってレッスンを受けるスタイルです。コストはピンからキリまで様々です。何よりも先生個人の力量や性格次第のところがあり、相性の良い先生と出会えれば、最高の選択となります。しかし、その逆もあり得ます。
 難点は「先生を探しにくい」点です。ホームページを作成する先生もいますが、検索上位となる事は少なく、どうしても個人の紹介が中心になります。そのため、実際にレッスンを始めてみて上手くいかない時、交代の講師はいなかったり、止めにくかったり、対応が難しいことがあります。

 

 

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